デザイン3面図から3Dへ

AMORPHOUS 記事

デザイン画をもらって、「よし、3Dにしよう」ってなったとき……どこから手をつければいいのか迷ったこと、ありませんか?
私もけっこう迷います。なので今回は、実際の制作物を並べながらデザイン画が3Dになるまでの話をしてみようと思います。

今回取り上げるのは、この4つです。

3D衣装|シャイメイ理Outlier

3D衣装|シャイメイ理Museum of Dreams

撮影スタジオ|AMORPHOUS3Dstudio Etage

集会ワールド|AMORPHOUSAMORPHOUS イベントワールド

衣装の2つはシャイメイ理(syaimeiri)、スタジオとイベント会場はAMORPHOUSでのお仕事です。それぞれのデザイン画と完成した3Dモデルを公開しつつ、話していきたいと思います。

衣装編|まず「最終地点」を決める

まずは衣装デザインを頂いてからの話です。

細かい材質の指定は、私の場合は頂いていないことが多くて……ある程度自由な状態での制作になります。

なので、衣装の質感をリアルに寄せるのか、それとも軽めのテクスチャ(モデルの表面に貼る模様や質感の画像)表現にするのか。この最終地点を先に決めてから制作に入るようにしています。

リアルに寄せるならシワもつけたりしますし、やっぱりモデリングの段階でどっちに寄せるか決めておくのは大事なのかなと思います。

Outlier|光沢のあるリアルなレザー

衣装Outlierのデザイン画。ロングタイトスカートの正面・背面と着用イメージ
DESIGNデザイン画(衣装デザイン:しげむ様)

▼ 3Dにすると

完成した3D衣装Outlier。光沢のある黒いレザーのタイトスカート
3D完成した3Dモデル

こちらは完全にリアル寄り。光沢のあるレザー質を意識して、モデリングの段階からテクスチャやマテリアル(光り方や質感を決める設定)まで、ぜんぶその方向で詰めていきました。

BOOTH|シャイメイ理【VRChat3D衣装】OutlierBOOTHで見る →

Museum of Dreams|イラストっぽさを残す

衣装Museum of Dreamsのデザイン画。正面・背面・袖口のパーツ
DESIGNデザイン画(衣装デザイン:ぬっくり温水様)

▼ 3Dにすると

完成した3D衣装Museum of Dreams。帽子・眼鏡・トップス・グローブ・タイツ・靴の構成
3D完成した3Dモデル

逆にこちらは、デフォルメというか……少しイラストっぽくした方が良いのかなと思った衣装です。

なので「シワを付けない」「細かいテクスチャを加えない」という形にして、デザイン画そのままの雰囲気を意識しつつ、シンプルな構造で作成しました。

BOOTH|シャイメイ理【VRChat3D衣装】Museum of DreamsBOOTHで見る →

2着を並べると、同じ「デザイン画から3Dへ」でも向かう先がまったく違ったりします。

OutlierMuseum of Dreams
方向性リアルデフォルメ(イラスト寄り)
質感光沢のあるレザー細かいテクスチャは加えない
シワリアル寄りの表現付けない
ポイントモデリングからマテリアルまで質感重視デザイン画そのまま・シンプルな構造
2着の「最終地点」の違い

ワールド編|空間を「伝わる形」にする

ここからはワールドの話です。衣装とは立場が逆で、こちらは私がデザインを渡す側になります。

3Dstudio Etage|階段の「R」との戦い

こちらはデザインを私が制作して、モデラーの汀(みぎわ)様と打合せしつつ制作しました。

3Dstudio Etageの手描きデザイン画。カーブする大階段と円形バルコニー
STEP 1デザイン画

モデラー様に構造を理解してもらうために、アバターの大きさを基準に各寸法を決めて、調整しつつ進めました。

Etageのラフモデル。箱型の空間に階段と2階部分を配置
STEP 2ラフモデル

ただ、このラフモデルの段階だと二階部分にけっこう高さがあって……。高さがある分、階段の接続部分のR(カーブの半径のこと。小さいほど急なカーブになります)が厳しくなってしまい、制作で少し苦労されていました。

階段の形状を検討中の3Dモデル。カーブした階段が円形の2階に接続している
STEP 3階段の形状検討

そこで、二階の高さをアバターの顔 約2個分下げて、構造も少し変更。階段接続部のRを緩和して、最終完成まで持っていきました。

Unityに移行したEtage。仮の色が付いた状態の階段と2階
STEP 4Unityに移行
完成した3Dstudio Etage。円形バルコニーにアバターが立っている
COMPLETE完成した 3Dstudio Etage

衣装とは違って、ワールドは空間認知(奥行きや位置関係を頭の中で組み立てること)の世界になります。自分が理解している部分を相手に伝えるのと同時に、ちゃんと成立するデザインにしないといけない。

ここがわりと大変で……でも、いちばん楽しい部分でもありました。

1階から見上げた大階段と円形バルコニー
COMPLETE1階から見た大階段
Etageの窓辺とバルコニー
COMPLETE窓辺とバルコニー

Etageは2026年10月20日 18:00からBOOTHで販売開始です。

BOOTH|AMORPHOUS【VRChat world】3Dstudio Etage10/20 18:00 販売開始 →

AMORPHOUS イベントワールド|見栄えより「歩きやすさ」

こちらもモデリングは汀(みぎわ)様です。集会ワールドとしての使い方がメインなので、複雑な構造は入れていません。なので、平面図と口頭での説明だけで進めました。

AMORPHOUSイベントワールドの手描き平面図
DESIGN手描きの平面図

いちばん気にしたのは、リスポーン地点(ワールドに入ったとき最初に立つ場所)から中央会場までの距離です。中央までが遠いと、移動が億劫になっちゃうんですよね。

なので見栄えよりも、適度な歩数で中央会場に入れることを優先。アバターの体の大きさを「1」として、全体のイメージをつかんでもらいました。

完成したAMORPHOUSイベントワールド。海の上の桟橋と、ドームに覆われた紅葉の木がある会場
COMPLETE海の上の駅と会場が合体した完成形

あくまでも見栄えより使いやすさ重視。そのうえで、VRCによくある「海の上にある駅」と会場を合体させた、というのがコンセプトになっています。

ちなみにこのワールド、増築予定なので左側と右側で色々なにかが行われます……笑

まとめ|「着地点」と「伝わるか」

というわけで、全体を通して私が重きを置いているのはこの2つです。

着地点はなに?
相手に伝わる?

やっぱりこういった部分がないと、迷走してしまうのかなと思います……。

一人で作るならまだ良いんですが、共同作業だったり、デザインの提供者さんがいたりする場合は、より注意していかないといけないのかなと思いました。

デザイン画から3Dになるまでの空気感が、少しでも伝わっていたら嬉しいです。

SHOP & CREDIT

3D衣装
シャイメイ理(BOOTH)
ワールド・スタジオ
AMORPHOUS(BOOTH)
Outlier デザイン
しげむ様
Museum of Dreams デザイン
ぬっくり温水様
ワールド モデリング
汀(みぎわ)様(Etage/イベントワールド)
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