景色の奥に物語を見つける、VRChatワールド3選

AMORPHOUS 記事
VRCHAT WORLD / STORY WALK

景色の奥に物語を見つける、
VRChatワールド3選

星屑の記憶/路地裏学園2/RadDolls Pier Café

01

星屑の記憶

星屑の記憶 黄昏の砂浜と積み上げられた学校机

ワールドに入ってまず目を奪われたのは、黄昏色の空と降り注ぐ流星がつくる幻想的な景色。

初期位置から少し坂を登ると、視界いっぱいに海と空が広がります。

この見せ方が本当に素敵で思わず声が漏れてしまうほど、最初の数分だけでこのワールドの世界観にぐっと引き込まれます。

傘で守られるように置かれたタブレット

砂浜を歩いていると、景色は綺麗なのにどこか寂しい…

でもそれは嫌な寂しさじゃなく、温かいような落ち着く感覚もある複雑な気持ち。

波打ち際でずっと異彩を放っている積み上げられた学校机と椅子。

光景としてはかなり異質なのに学校机だからかどこかノスタルジックな雰囲気。

そして各所に添えられている星。

勝手な解釈なんですけど温かい気持ちの正体はこれなんじゃないかなと思いました。

FEELING 「この星に見守られている」感覚をわたしは覚えました。

傘で守られるように置かれているタブレットの演出もにくいですね、正直涙出ました。

ぜひまだ行ったことない人にもこの感覚を味わってほしい…!

幻想的な景色で撮影もめちゃくちゃいいんですけど
この世界観に浸ってみるのもおすすめです。

砂浜に置かれたポラロイド写真と星のクッション
02

路地裏学園2

路地裏学園2 狭く入り組んだ路地の看板

狭く入り組んだ空間と薄暗い路地が印象的で、まるで工場跡や廃墟のような雰囲気。

路地は暗くて狭いのに不思議と圧迫感がなくて「こっちの先にはなにがあるんだろう」と気づいたら記事用の撮影もそっちのけで、ワールドの端から端まで夢中で歩き回っていました。

薄暗い路地裏の非常口サイン

隅々歩いてみると「かっこいい世界観」だけでは終わらないのがこのワールドの面白いところだなと、つい何にでも意味を見出したくなる意味づけオタクは思いました。

縦に広がる入り組んだ非日常的な構造の中に、物干し竿や消火栓、喫煙スペースといった生活感のあるものが自然と馴染んでいます。

また芸が細かいなと思ったのは落ちてるゴミも面白くて、「油脂」と書かれた空き缶。

「油を飲む人間なんているのか?」と思いつつももしかしたら機械化したサイボーグ的な人は潤滑油代わりに飲んでいるのかもしれないし、宅配ピザのゴミにも複数の銘柄があり食べ比べているのかもしれない。こういう小物を見つけるたびに、つい足を止めてしまいました。

LIFE IN RUINS この生活感がワールドに命を吹き込んでいる

もはや廃墟とも言える空間なのに、この生活感があるからこそ「誰かがここで暮らしている街」として世界に入り込める。そんなサイバーパンクらしい魅力にどっぷり浸れる街でした!

配管が並ぶピンク色の路地裏通路
03

RadDolls Pier Café

海上の駅と巨大な壁、DOLL CITYの看板

海上に築かれた駅で降りると、まず目に飛び込んでくるのは穏やかな海辺の景色。

次の駅は「第1荷降場」、巨大な壁の向こうには何が広がっているんだろう。いきなり想像が膨らんで仕方ない…

そんなことを考えながら階段を下りると、さっきまでの無機質な印象とは打って変わって、そこには海に浮かぶ穏やかな街並みが広がっていました。

海に浮かぶ穏やかな街並み

このワールドのシンボル的なレンガ造りのカフェは、白い灯台と並んで海辺に静かに佇んでいます。大きな窓から店内を覗くと、「営業中かな?」と思ってしまうような気配がありました。

中を覗くと、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気。

所々に置かれたラムネ瓶や、ゆっくり回る扇風機が少しだけ夏の色を添えていて、それがなんともエモい。

カフェスペースだけでなくキッチンやリビング、私室に浴室までしっかり作り込まれていて、店というより誰かの家に遊びに来たような感覚がします。

なんだか夏休みに友達の家へ「お邪魔します!」って上がって、そのまま友達の部屋まで一人で向かう、あの頃の感覚を思い出しました。……伝われ!

木の温もりを感じる私室のインテリア

『RadDolls Pier Café』の魅力は、美しい景観だけではなく「想像する余白」がたくさん残されているところ。

ワールド説明には “Where Dolls Await” と書かれています。

「人形たちが待つ場所」

たったこれだけなのに「人形って何なのか」「誰を待っているのか」「どんな場所なのか」、詩的な一文に想像をかき立てられます。

ここでいう「Dolls」というのは、このワールド作者さんが制作されているアバターモデルの『Rad Doll』のことだと思います。

実際にワールド内にはRad Dollが暮らしているような部屋があり、その場で試着もできるようになっていました。

気になるのは『Dolls』という複数形なところ。

この街…いや壁の向こうまでRad Dollがたくさんいるかわいいの楽園なのかもしれない。

次に言及したいのは『Await』の部分。

「Await」という言葉を見て、最初は少し切ない物語も想像しました。

例えば、この街にはもう帰ってこない誰かを待ち続けているRad Dollたちがいる。そんな世界なのかなと。

……でも、街を歩いていると不思議とそんな悲しさは感じませんでした。

むしろわたしには、この街でRad Dollたちが当たり前の日常を過ごしているように見えました。

カフェを営み、電車が走り、港では荷物が運ばれる。

そんな穏やかな毎日が、この街では今も続いている。

WHERE DOLLS AWAIT この街を訪れる私たちを待っている場所

また美しい景色を撮るため。
でもそれだけじゃなく、この街に流れる日常や語られない物語に思いを馳せるためにまた訪れたいと思いました。

最後に

VRChatのワールドは、美しい景色を眺めたり、写真を撮ったり。それだけでも十分楽しい場所です。

でも今回紹介した3つのワールドは、それだけでは終わりませんでした。

「この世界では何があったんだろう」「ここにはどんな人が暮らしているんだろう」──そんなことを考えながら歩いている時間が、私はすごく好きでした。

きっとこれは、何でも意味づけしたくなる私だからこその楽しみ方です。

もし皆さんも気になるワールドがあったら、景色を眺めるだけじゃなく自分なりの物語を想像しながら歩いてみるのもいいかもしれません。

皆さんにはこの世界はどんな物語を語りかけてきましたか?

いつか、その物語を一緒に語り合えたら嬉しいです。

WRITER
ひなぎなぎ
筆者 ひなぎなぎ
AMORPHOUS JOURNAL/METAVERSE / VRChat World Story Article

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