

BOOTH で VRChat 向けの3D衣装を制作・販売しているクリエイター、ろろにとさん。今回は、17体のアバターに対応した衣装〈Prêcefleet ‐ プレセフリート〉について、どこにこだわったのか、どうやって作っているのか、そして完成までにどんな苦労があったのかを、12の質問でうかがいました。
- NAME
- ろろにとさん(読み:ろろにと)
- ACTIVITY
- BoothでVRC向け3D衣装を中心に制作や販売を行っています。
- WORK
- Prêcefleet ‐ プレセフリート(販売:BOOTH「ろろにとすとあ」)
- LINK
- X(@662l0)/BOOTH(ろろにとすとあ)
どこにこだわったのか

この作品で、いちばん譲れなかった部分はどこですか?
デニムパンツのレース部分の透け感や全体のディティールですね。

作品の中で、とくに見てほしい部分はどこですか?
衣装全体にそれぞれこだわった箇所があるので、特にどれかというと難しいです(笑)

見ただけでは分かりにくい、隠れた工夫や拘りはありますか?
なるべく改変しやすいように衣装を作りたいと意識しているので、自身が表現したいディティールを削りすぎない程度の、データの最適化でしょうか。



細かく作り込んだ部分と、あえて簡略化・省略した部分を教えてください。
デニムやトップスはなるべくシワ感を残しつつ、なるべくポリゴン数がかさみ過ぎないように意識しましたね。
例えば、デニムだとタック部分は、ディティール表現にテクスチャとノーマルマップで行う選択もあると思うのですが、この部分は自分としてはメッシュで作りたい箇所だったので、形を保ちつつウェイトもある程度塗りやすいトポロジーを模索しましたね。
あと小物になるんですが、スマートウォッチをイメージした時計がVRChat上で実時間と同期するようにしたことがちょっとしたこだわりですかね。
あえて省略したところ…。難しいですね(笑)
強いて言えば、ギャザー表現をメッシュで行ったことによって、少しポリゴン数が増えていたので、キャップやバッグのポリゴン数を抑えめに作ることで、衣装全体でのポリゴン数総量が膨れ上がらないようにしたことですかね。


どうやって作っているのか

アイデアを考えてから完成するまでの流れを、順番に教えてください。
そうですね、大きく分けて2つあります。
衣装全体のコンセプトを決めて制作開始するケースと、
衣装の上下(トップス/ボトムス)どちらかで作りたいモノを決めて、それに合う全体のコンセプトを組んで制作を開始するケースがありますね。

制作に使ったソフトや道具を教えてください。それぞれをどのように使い分けていますか?
メインソフトはBlenderを使用しています。ポリゴンモデリングとスカルプトを主体として制作を進めています。
今年になってからですが、作るモノに合わせてBlenderのクロスシミュレーションや、MarvelousDesignerなどを部分的に取り入れることもあります。
テクスチャはSubstancePainterをメインに使用しています。
仕上げの色彩調整などにペイントソフトを使うケースもありますね。

制作の中で、いちばん時間をかけた工程はどこですか?
1番を決めるのは難しいですが、やはりモデリングの工程ですかね。
衣装制作は工数も多くメッシュデータの調整はかなり気をつかっています。なるべく前工程に戻ることがないよう進めることを意識しているので、始まりであるモデリング工程でのミスは致命的になりかねないので…(泣)

制作作業の中での苦労や改善

制作中に、いちばん苦労したことは何ですか?
モデリング全体を通してのリトポロジー(以下リトポ)ですかね…。
今回だと特にデニムパンツなんですが、UV展開とテクスチャをどう作るかを想像しながらリトポを行うので、UVの仮展開をしながら歪む原因になる箇所がないか、後ほど行うUVの本番展開時に困りそうなことはないかを確認しながら進めるので…。
我流なのもあってリトポには毎回苦戦してます(笑)

その問題を、どのように解決しましたか?うまくいかなかった方法や試行錯誤もあれば教えてください。
リトポロジーに関しては過去に作ったモデリング経験や試行数で解決してる節がありますね…(苦笑)
初めて作るモノだとリトポにかかる前に問題になりそうな箇所の洗い出しをしてから、取り掛かるようにしています。
他にも衣装制作を進める前に、まずあとに控えている工程を想像して、書き出して順番を整理するようにしています。
モデリングをそのまま進めるべきなのか、ラフモデルを作ってUnityのセットアップ時に困りそうな箇所の洗い出しが先かなどを、意識的に行っています。
個人的に、制作→リリースまでをこのサイクルで繰り返すことで、あとから見返したときにつまづいた箇所や、見落としてた部分に気づけるので、ワークフローの改善や自分に足りていないスキルを身に着けたり、必要であるツールやアドオン導入の検討や模索が出来ると思っています。

完成後に振り返って、やり直したい部分や悔しさが残っている部分はありますか?
そうですね…。モデリングに関しては毎回もっとディティールを上げたいと常々思っているので、精進あるのみ!って思っています(笑)
今回だとテクスチャ制作で、自分の中で新しいワークフローを導入したので手間取る箇所もあって、次回制作時の改善点も見つかったのでそこを改善していきたいですね。

制作者の人柄や今後

制作活動を始めたきっかけを教えてください。また、ご自身の性格は作品にどのように表れていると思いますか?
私生活に色々ありまして、2024年の夏頃にまとまった時間が取れることになったので、以前から興味はあったモデリングを始めようと思ったこと、そして当時話題になってたスタンミさんの動画でVRChatを始めたことがキッカケですかね。
性格が制作物に表れる箇所ですか…。難しいですね(笑)
凝り性寄りな性格であると自分自身では思っていますが、それが制作物に表れているかは自分ではよくわからないですね…(笑)
ただ強いて言えば、ウェイトペイントにはかなり気をつかっているつもりです。
せっかく改変してアップロードまで終えたのに、いざ着てみたらウェイトが崩れている…。それは一番テンションの下がる瞬間だと思っているので、できる限り気を配っています。

これから挑戦したいことや今後の予定を教えてください。最後に、作品を見てくださる方へのメッセージもお願いします。
数ある衣装の中から見つけていただき、ありがとうございます!
VRChatは「自身の好きを表現できる場所」だと思っていて、その一部をお手伝いできていたら嬉しいです。
色を変えたり、他の衣装と組み合わせたり、自由に楽しんでいただけたらと思います。
着ていただいた姿を見られるのが何よりの励みになるので、よければハッシュタグなどで見せてください…!
これからも少しずつ作り続けていきますので、よろしくお願いします。
※ハッシュタグ:#ろろにとすとあ




ろろにとさんとの出会いは、衣装制作集会でした。
そこで話しかけた流れから「ぜひ取材記事を書きたいです!」というお話をさせていただき、今回の記事制作に向けてインタビューを行いました。
自分も衣装制作をしているので、「めちゃ分かる!」という部分も多く、楽しく記事を制作させていただきました。
この度は取材にご協力いただき、ありがとうございました!
CREDIT
